通信制高校への進学を考える際に、「サポート校」という言葉を耳にすることがあります。一見似ているようでいて、実は両者は制度上も役割も大きく異なります。ここでは、通信制高校とサポート校の仕組みや特徴をわかりやすく整理し、それぞれの役割について詳しく解説します。
1. 通信制高校とは
通信制高校は、文部科学省の認可を受けた正式な「高等学校」です。全日制や定時制と同じく、卒業すれば高等学校卒業資格(いわゆる高卒資格)を取得できます。授業は主にレポート学習・スクーリング(登校日)・テストで構成されており、自宅学習を中心に、自分のペースで学習を進めることができます。
学校によってはオンライン授業や映像教材を取り入れており、働きながら・病気療養中・子育て中など、さまざまな事情を抱える生徒にも柔軟に対応しています。
2. サポート校とは
一方、サポート校は法律上の「学校」ではありません。文部科学省の認可を受けておらず、主に通信制高校に在籍する生徒の学習や生活を支援する民間教育機関です。つまり、サポート校だけに通っても高卒資格は取得できません。通信制高校と連携して、レポート指導・スクーリングへの同行・メンタルケアなどを行います。
サポート校は、勉強が苦手な生徒や、自宅学習に不安がある生徒にとって「安心して続けられる伴走者」としての役割を果たしています。
3. 学習サポートと環境の違い
通信制高校では基本的に自分で計画を立て、自主的に勉強を進めますが、サポート校では先生やスタッフが日々の学習スケジュールを一緒に立て、理解度に合わせて指導を行います。さらに、登校型・オンライン型など通学スタイルも多様で、進路相談や友人づくりの機会も提供しています。
このように、通信制高校が「学びの場」そのものであるのに対し、サポート校は「学びを支える場」であると考えるとわかりやすいでしょう。
4. 費用と通い方の違い
通信制高校の学費は、私立か公立かによって異なりますが、サポート校を併用するとその分費用が上乗せされます。サポート校は独自の授業料を設定しており、個別指導や専門講座が充実している分、年間で数十万円の費用がかかる場合もあります。経済的な負担を考える際には、両者の学費を合算して検討することが大切です。
5. どちらを選ぶべき?
「自分で計画的に学べる」「一人でも勉強を続けられる」タイプの人は、通信制高校だけで十分卒業が可能です。一方で、「自宅学習が続かない」「人との関わりが欲しい」「学習の進め方に不安がある」と感じる場合は、サポート校を併用すると安心です。
まとめ:自分に合った学び方を選ぶことが大切
通信制高校は高卒資格を得るための正式な教育機関であり、サポート校はその学びを支えるパートナー的存在です。どちらが優れているというよりも、自分の性格や生活リズム、サポートの必要度に応じて最適な組み合わせを選ぶことが重要です。
通信制高校+サポート校=安心して学べる環境という構図を理解し、自分に合ったスタイルで高校生活を充実させましょう。
  
  
  
  