高校を卒業する手段として、近年注目されているのが「通信制高校」と「高卒認定試験(旧大検)」です。どちらも大学や専門学校への進学を目指す人にとって有効な選択肢ですが、「どう違うの?」「併用はできるの?」といった疑問を持つ人も少なくありません。
この記事では、通信制高校と高卒認定試験の違い、それぞれのメリット・デメリット、そして併用が可能かどうかについて詳しく解説します。
通信制高校とは?
通信制高校は、文部科学省が認可する正式な高等学校です。卒業すれば「高校卒業資格」が得られるため、大学・短大・専門学校への進学や就職など、幅広い進路選択が可能です。
通信制の特徴は以下のとおりです:
- 自宅での学習(レポート)を中心とし、スクーリングに通う形式
- 自由度が高く、自分のペースで学習ができる
- 在籍年数は原則3年以上
- サポート校を併用することで学習環境を補完できる
高卒認定試験(旧大検)とは?
高卒認定試験(正式名称:高等学校卒業程度認定試験)は、高校を卒業していなくても「高校卒業と同程度の学力がある」と認められる国家試験です。
この資格を取得することで、大学や専門学校の受験資格が得られます。ただし、「高校卒業資格」ではないため、履歴書などで「高卒」とは記載できません。
高卒認定試験のポイント:
- 受験資格は満16歳以上(年齢制限はなし)
- 全科目合格すれば、高校卒業程度の学力があると認定
- 年に2回(8月・11月頃)実施される
- 合格した科目は以後の試験で免除される
通信制高校と高卒認定の違い
項目 | 通信制高校 | 高卒認定試験 |
---|---|---|
資格の種類 | 高校卒業資格 | 高校卒業「相当」の学力証明 |
進学への効果 | すべての進路(就職・大学受験など)に有効 | 大学・専門学校受験には有効。就職には不利な場合あり |
学習スタイル | レポート・スクーリング・試験 | 独学や予備校での学習が中心 |
学習期間 | 3年以上の在籍が必要 | 科目合格により最短数か月〜1年程度も可能 |
費用 | 年間数万円〜数十万円(学校による) | 受験料は低額(1回2〜3千円程度) |
併用はできるのか?
結論として、通信制高校と高卒認定試験は併用可能です。特に以下のようなケースで併用が選ばれます。
- 通信制高校の卒業前に進学資格だけ先に得たい人
- 通学が困難で、単位が足りない可能性がある人
- 大学入試の早期対策として、高卒認定試験を並行する人
ただし、高卒認定をすべて合格しても「高校卒業資格」は得られないため、就職や公務員試験では高卒として扱われない点に注意が必要です。
どちらが自分に合っている?
進学を重視する場合や、社会的な「高卒資格」が必要な場合は通信制高校が向いています。一方、大学進学に特化して短期で学力をつけたい場合は高卒認定試験が効率的な選択になることもあります。
【通信制高校が向いている人】
- 在籍しながら計画的に学びたい
- 進学以外に就職や資格取得も視野に入れている
- 学習サポートを受けながら高校卒業資格を取りたい
【高卒認定が向いている人】
- 早く大学受験に進みたい
- 学費をできるだけ抑えたい
- 独学や短期集中が得意
まとめ
通信制高校と高卒認定試験は、どちらも「高校以外の学び方」として有効な選択肢です。それぞれの制度には特徴があり、自分の将来の目標やライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。必要に応じて併用することも視野に入れながら、柔軟に進路設計をしていきましょう。