通信制高校でのマイナンバー利用場面とは?

マイナンバー制度(個人番号制度)は、行政手続きの効率化や本人確認の簡素化を目的として導入されました。通信制高校でも、学費支援や公的制度の申請など、さまざまな場面でマイナンバーが関係します。本記事では、通信制高校でマイナンバーがどのように利用されるのか、具体的な場面と注意点をわかりやすく解説します。

1. 通信制高校とマイナンバーの関係性

通信制高校は、教育機関として文部科学省の管轄にありますが、学費支援や補助金の申請には「所得情報」や「公的給付制度」との連携が必要です。マイナンバーは、これらの手続きで個人を正確に特定するための共通識別番号として使用されます。

特に、保護者の所得情報をもとに授業料支援などを受けるケースでは、マイナンバーが本人確認・所得照会のために必要となります。

2. 主なマイナンバー利用場面

通信制高校でマイナンバーを利用する代表的なケースは以下のとおりです。

  • ① 高等学校等就学支援金の申請:世帯の所得に応じて授業料が軽減される制度。申請時に保護者のマイナンバーを提出することで、市区町村が所得情報を照会します。
  • ② 奨学金(日本学生支援機構など)の申請:収入基準の確認や本人確認のために、マイナンバーの記載が求められる場合があります。
  • ③ 住民票・所得証明書の取得:進学・編入・転入手続きの際に必要な公的証明書を取得する際、マイナンバーカードを使用してオンライン請求できます。
  • ④ アルバイト先との雇用手続き:通信制高校生がアルバイトをする場合、雇用主にマイナンバーを提出して税務・社会保険手続きを行う必要があります。
  • ⑤ 行政との連携手続き:児童扶養手当や生活保護など、厚生労働省の支援制度を併用している家庭では、学校との情報連携にマイナンバーが活用されることがあります。

このように、マイナンバーは通信制高校の学費支援や生活支援と深く関わっており、経済的に安心して学び続けるための仕組みを支えています。

3. マイナンバー提出時の注意点

学校や自治体にマイナンバーを提出する際には、いくつかの注意が必要です。

  • 学校側がマイナンバーを直接保管することは基本的にありません。提出はあくまで行政手続きの一部として行われます。
  • 提出の際は、番号が記載された書類の写しとともに、本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカード)を提示する必要があります。
  • 学校を経由して提出する場合も、情報は暗号化・厳重管理され、目的外利用は禁止されています。
  • オンライン申請の場合は、マイナポータルを通じて安全に申請できます。

マイナンバーの提出は義務ではなく、提出を拒否しても申請そのものができないわけではありませんが、代わりに所得証明書などを別途提出する必要があります。

4. 通信制高校が留意している情報管理体制

通信制高校では、生徒・保護者の個人情報保護を最優先としています。マイナンバーを扱う場合、次のようなルールが定められています。

  • マイナンバーを含む書類は原則として学校内に保管せず、速やかに行政機関へ提出する。
  • 保管が必要な場合は、施錠保管・アクセス制限・担当者限定の閲覧体制を敷く。
  • 利用目的が終了した場合は、速やかにデータを削除または廃棄する。

これらは「番号法(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)」に基づき、厳格な管理が求められています。

5. まとめ:マイナンバーは「教育と行政をつなぐ橋渡し」

通信制高校におけるマイナンバー利用は、学費支援・奨学金・公的補助などをスムーズに受けるための重要な仕組みです。生徒や保護者の負担を減らし、行政手続きを効率化する役割を果たしています。

一方で、マイナンバーは「個人情報の中でも最も慎重に扱うべき情報」です。学校や家庭が制度の目的と管理体制を正しく理解し、安全に利用することが求められます。

通信制高校の入学手続きや学費支援を検討している方は、マイナンバー提出の必要性や利用範囲を早めに確認しておくと安心です。