お子さんが通信制高校への進学や転入を検討しているとき、保護者として気になるのが「どんなサポートを受けられるのか」という点です。通信制高校とサポート校はどちらも学びを支援する存在ですが、役割や支援範囲は大きく異なります。ここでは、保護者目線でその違いをわかりやすく解説し、家庭で意識すべきサポートのポイントも紹介します。
1. 通信制高校のサポート体制
通信制高校は、正式な「高等学校」として文部科学省の認可を受けています。そのため、卒業資格を得るための学習支援を中心に体制が整っています。
- 学習面： レポート指導・添削、スクーリング（登校授業）、定期試験の実施など。
- 進路面： 進学・就職ガイダンス、進路相談の実施（頻度は学校による）。
- 生活面： 学校によっては担任制を導入し、月1〜2回の面談を行うところも。
ただし、通信制高校は「自学自習」が基本であり、学校側の関与は最小限にとどまることが多いです。したがって、生徒本人の自己管理力や家庭でのサポートが学習継続の鍵となります。
2. サポート校のサポート体制
一方、サポート校は通信制高校に通う生徒を支えるための民間教育機関で、より生活に密着した支援を提供しています。学校ではないため卒業資格は発行しませんが、通学サポートやメンタルケアなど「日常的な伴走」が特徴です。
- 学習面： レポート指導・課題対策・基礎学力の補習。
- 生活面： 出欠管理・生活リズム改善・人間関係の調整支援。
- メンタル面： カウンセラー常駐・定期面談・家庭との三者面談など。
- 進路面： 面接練習・進学情報提供・就職活動のサポート。
サポート校は特に「学校に行けなくなった」「学習に遅れがある」「不登校から再スタートしたい」といった生徒に向いており、保護者との連携を重視している点も特徴です。
3. 両者の違いを整理
| 項目 | 通信制高校 | サポート校 |
|---|---|---|
| 設立形態 | 文部科学省認可の「学校」 | 民間教育機関（学校外） |
| 目的 | 卒業資格の取得 | 学習・生活の支援 |
| サポート範囲 | 学習面中心 | 学習＋生活＋メンタル |
| 費用 | 公立は数万円、私立は20〜40万円程度 | 年間40〜100万円前後（別途） |
| 保護者との関わり | 定期的な成績報告や面談（頻度は低め） | 保護者面談・LINE連絡・三者面談など密な連携 |
4. 保護者が意識すべきサポートのポイント
- 子どもの「ペース」を尊重する： 不登校経験者や繊細な子は、焦らせず少しずつ学校に慣れる時間が必要です。
- 家庭での声かけを工夫： 「頑張って」よりも「どう感じている？」など共感的な会話を意識しましょう。
- 学校との連携を怠らない： 担任やサポート校スタッフとの情報共有でトラブルを未然に防げます。
- 費用・時間のバランスを確認： サポート校の通学頻度やサービス内容に応じて、生活全体のバランスを考慮しましょう。
5. まとめ：学校と家庭の“二人三脚”が鍵
通信制高校は「資格を取る場」、サポート校は「支えてくれる場」と言えます。どちらが良い悪いではなく、お子さんの性格や生活リズム、精神的な状態によって最適な組み合わせは異なります。保護者としては、子どもが安心して学びを続けられる環境を整えることが最大のサポートです。学校任せにせず、家庭でも温かく見守る姿勢が、不登校からの再スタートを支える大きな力となります。
